R大の英語PをESとして1年みて思ったこと
陳腐なタイトルである。
僕が通う大学、学部においては「Project based English Program」と称した、プレゼン英語の講義が1~2回生対象の必修講義として毎期開講されています。
今回縁あってその講義のEducational Supporterを1年間行った上で今後こういうことに気をつけてもらいたい、みたいなものでも述べようかと思います。
正直僕自身ESとしてのレベルは正直高くはないのでただの文句にしかならないのかもしれませんが、今後この講義を受講する方は参考にしてもらえると嬉しいです。
(教員の皆様、もしこのエントリを見るようなことがありましたら、来年度以降の講義の参考にしてもらえるととても嬉しいです)
まずは今後英語P1~4を受けるだろう受講生の皆様へ。
1.プレゼンの作り方を学べ
一般的な本を読めばわかると思いますが、発表に際しては専門知識以外に必要な知識というものがあります。
例えばスライド一つとっても
スライドの文字は一定以上の文字サイズであるべき(目安:18ptといわれてます)
1つのスライドには1つの情報をのせる(多寡両方アウトなことがおおい)
といったものです。
これらの知識は1000円程度で売ってるスライドの作り方本でも買えばすぐに仕入れられますし、今ではネットにもこんなものが載ってるので使うといいと思います。
正直、どれほど面白いネタを持ってきていたとしても、そのプレゼン自体のレベルが低ければ誰も興味は持ちません。
逆に言えばしょうもないことであっても、プレゼンのレベルが高ければどことなく皆は興味をもつものです。
例をあげて言うならばそれこそ故Jobsのプレゼンとかその最たるものではないのかな、と思います。
悪くいえば既存のものを盗用しただけの製品についてあれだけ熱狂する人がいるのは彼のプレゼン力によるものではないかと思います。
また、このプレゼンスキルは今後研究室に所属したり、就職したりしたときにも有用になるだろうものです。ここで学んでおいて損するってことは絶対にないと思います。
(あ、あとこんなものを昔書いてたのでちょっと見てくれると幸せです)
2.自分の興味を他人の興味に変えよ
P4、最終段階レベルになっても「既存のデータを切り貼りしただけのスクラップブック」を紹介するだけのプレゼンをしている人が多数いました。
正直、「その時間を使ってインターネットなり本なりで調べれば同様の情報が得られる」発表はゴミ同然です。時間の無駄です。帰ってくれ。
その人は良い発表を作れたと思っているのでしょうが、事実の羅列は事実の羅列でしかないです。スクラップブックは資料として渡してもらえればあとで読みます。
結局なにが言いたいかというと、
「既存の資料を読んだだけでは気づけないものを見せてくれ」というやつです。
考察です。既存のデータから新たな考察を生み出してほしいのです。
真偽は後できめます。とにかく自分の中で新たな思考を出してもらいたいのです。
例えば、こんなしょうもない話をしましょう。
日本の出生率はここ50年くらいのスパンで見れば基本的に単調減少しています。
一方でインターネット回線の速度は基本的に単調増加しています。
だから
「日本の出生率を上げるためには、インターネット回線の速度を落とせばいい」
という考察をしました。
正直これはどう考えても偽の命題だとは思います。(真だったとしても論理が飛躍しすぎている)しかしながら正の感情であれ負の感情であれ興味をもった人はいるのではないでしょうか?
これをただ単に
日本の出生率はここ50年くらいのスパンで見れば基本的に単調減少しています。
一方でインターネット回線の速度は基本的に単調増加しています。
以上です。
といってしまえばなんの面白みもありません。
出来る限り、事実の紹介にとどまらずそこから思考を発展させてください。
自分の興味というくそしょうもないものを他人の興味に変えられる又とない機会です。どうせだし楽しんでそういうことをしてみるのは悪くないと思います。
3.情報のソースを明確にしめせ
けっこうな発表でやらかしてる人が多いものです。
例えば
「アンケートの結果75%の人がきのこの山が好きだと言いました。」
というデータだけを見てみましょう。
これをみてそのまま納得できる、という人はそこまで多くはないでしょう。
要するに
- 母数が不明
- 選択肢として他に何があったかが不明
- 調査対象が不明
- 調査時期が不明
といった感じで情報のソースが一切ないのです。
何かのデータを示したいときにはそれがどこでどのように作られたデータなのかを示してください。
4.安易に日本語を使うな
1.との関連部もありますが。
なんか難しい単語を言ったあとに "In Japanese..."っていい方をするのは甘えです。
よっぽどのことがない限り英語のプレゼンしてるときに日本語なんて使えません。
逆に考えてみてください。日本語のプレゼンしてる最中に唐突に
英語では~~というんですけどね?とか言われても「は?」となると思います。
5.データは他人に一回みせろ
1.~4.の回避のためです。自分で発表作ったらそれで満足しちゃう人が大半です。僕もです。
その状態で発表してしまうのはそれこそ「自分だけが楽しい自慰行為の見せつけ」にほかなりません。
ラボの同期でも未だにそういうのでやらかしてしまってる人がいっぱいいます。僕もです。
気をつけてください。
6.オーディエンスとしてのマナーを学べ
見てて、聞こうとする態度がない人がかなりの数いました。僕もです。
発表というものは発表者だけで作るものではありません。
というか発表中に雑談するとかゴミ以前の問題だからな?
とりあえず、以上の点に気をつければ、「ひどい評価を受ける発表」になることはそうないと思います。
次に講義としての質、教員サイドの話を。
1. 教員の当たり外れが大きすぎる
正直、教員によって講義レベルの差が激しすぎるように感じました。
ある教員はいかにも「学会におけるプレゼン」を目指して教科書なんてしらない、みたいな講義をしているのに対してある教員は完全に教科書準拠というよりは教科書を読み上げるだけ、みたいな講義でした。
これで同じレベルへの到達を目指している、といわれると完全にもにょってしまいます。
(あくまで下に合わせろという意味合いではなく、むしろもっとHi-qualifiedしてもらいたい、という意味合いで)
週あたりのコマ数や受講生の人数を鑑みるになかなか会議の機会は取れないようなきもしますが、どうにかその点を変えてもらいたいな、と思っています。
2. ESがESとして仕事をできない
これは2種の意味があります。
まず「ローテーションがあるせいで受講生のためになれない」というものです。
この講義は学科単位で3~5クラス程度開講されており、ESは(本年度は)1もしくは2週ごとにローテーションの形でクラスを回っています。
この制度にはもともと「一つのクラスだけにこだわらない」という意味合いがあるらしいのですが、こっちからすれば
「すべてのクラスについて1ヶ月単位で変化に対応しなければならない」という地獄になっています。
次に、「ESのくせにSupportができない」というものがあります。
前述の通り講義の質が教員によってバラバラすぎているためどれを標準として助言を行うべきなのかがさっぱりみえなくなってます。
また1ヶ月、最悪2ヶ月単位でクラスを見ることができないために、どのような助言を与えたのか、も定かではない上にその後教員からどのような指導が与えられているのかもわからなくなってしまっています。
例えば、ですが
僕はプレゼンの最初に「問いかけ」をするのはプレゼンの初心者にはとても難しいことだと思っているため、自分によっぽどの自身がない限り用いるべきではないと思っています。
しかしながら、とある教員はattention getterとして「問いかけ」をすることを重視していました。
それを知らずに講義内のプレゼンで問いかけが雑に用いられていたらどうなるか、想像はたやすいと思います。
このような教員-ES間の齟齬は受講生にとってもあまりよいものではないのではないかと思っています。
せめて半期、もしくは4コマ単位で交代くらいにしないとESがESとして最大限の出力をすることはできないんじゃないかなと思ってます。ご検討をよろしくお願いします。
英語P自体は自分の興味を押し広げるとってもいい機会にもなった上、自分の、他者の発表を見直せる機会を大量にもてる、とてもいい講義だったと思ってます。
また、年々講義の質は指数関数的に改善されており、今後さらなる面白さをはらんでいくんだろうなと思うととてもわくわくできます。
もし、今後これを見る事がある英語P受講生の方がいましたら、ぜひ、楽しんで受講してもらえると幸いです。